2本目 初出張作品 伝説の春告げ鳥を体験。

「パパ三葉虫」

1994年 クリスマスイブ・クリスマス 1か4号館教室  作:演出:カンサイだったが。
おじさん二人が荒らし放題だった記憶も。 踊りの振り付けは確か熊野氏




このころ私は1年生。「赤穂浪士」も無事に終わり。次の「1年生公演」に向けて準備をしているときだった。

この1年生公演というのは、その名の通り、すべて「1年生」だけでやるというもの。実験公演のような。そんな感じ。

で、その準備で、当時1年生のみんなでサークル棟で作業をしていた。

で、たまたまそのときに部室に居た当時1年生の"片桐"、"三町"、"はるかさん"、"ごうちゃん" で私。

で、たまたまこの時に部室で、この1年生は「演鑑演劇部」の勧誘に会い。

クリスマスに暇(?)だった我々は、そして出演することが決定した、と。



この「演鑑演劇部」、略して「演鑑」は東京学芸大学の数ある演劇サークルのうちの最大級のもので、

一つの劇団ではなく、複数の劇団が集まっている。

もともと「演劇学」の授業を経てきたグループが所属するみたいで。いくつも団体がある。

でもどの団体にもの共通点は「劇団▲漠」には行きたくなかった、でも芝居はしたかった人たちの集まり。

だから、もともと「漠」と「演鑑」は仲が悪い、とされる。というか、ほとんど交流はなかったようで。

この2つの団体の間には、昔、相当怨ドロドロしたものがあったらしいが。

私も詳しくは知らない。今もどうかは知らない。



私が「漠」の94年度生で、もちろん「演鑑」にも94年度生が居て。で、その彼らが公演をするということで。

彼らの団体名は「ツローコバヤーツ」。名前には色んないわくがあるらしい。

でも詳しくは知らない。その旗揚げ公演に参加することとなった。

出演に当たって。芸名をつけた訳だけれども。

どうやってこの名前をつけたのかは、4人の所属(?)する劇中劇中劇団のユニット名から。

"ムラカタギリキヨシ"、"カミホソカワハルカ"、"ヒデオギハラシノ"、"キミマチナガノリ"。

この頃の我々1年生が、どれだけドキドキしてこの芸名を名乗り、出演したか、分かる人にはわかるであろう。



我々、4人の劇中劇団員はいわゆるコロスの役だったが。

開演前になんと「春告げ鳥」もやらせてもらえることになった。

この「春告げ鳥」は今はもうやっていないのだろうけれど。

「演鑑」の芝居では、開演前にいきなり人が出て、次回公演の予告の小芝居をする。

そのとき音響と照明もつけてもらって、わぁっと盛り上がる、が。

小芝居が終わったらパッとすべて元に戻り、役者も素に戻って去る、というもの。

いわゆる映画の予告編の芝居版。「演鑑」の伝統でもあった、と思う。



このときは「パパ三葉虫」が2回公演だったので。われわれは男女で2組にわかれ。私は"三町"とペアになった。

で、このときにそれぞれのグループで「春告げ鳥」台本をもらう。台本の作者は後藤さん。

で、このときの台本は競馬投票用紙の裏に鉛筆で書かれていた。

このとき後藤さんの字はとてもきれいだったことを覚えている。

春告鳥の台本発見

春告鳥 vol. 7 "バンクバンレッスン"編

女の腕をねじりあげている男

男「魔がさした?下らねえいいわけしやがって。・・・常習犯だな。」

女「・・・違うの、魔がさしたのよ、ほんとに。」

男「くどい!!」 女を殴りだす男

男「・・・盗んだものを返してもらおうか」

女「盗んでないわ・・・・・盗まれたのよ。」

男「なに・・・・・・・?」 女、男にすがりつく。

女「返して! 魔に貫かれた私のハート。」

○○ゲームが入る(意味不明) 抱きしめる女。

男「劇団ばく一年生公演バンクバンレッスンめい
  演出:片桐きよし。」

女「2月の星座が、真っ赤に染め抜かれ・・・。」


実は、今でもこの「競馬投票用紙裏の台本」はとってあるのだけれど。

このときの照明は赤。で、"三町"の足にすがる私。

で、私の台詞、「二月の星座が、真っ赤に染め抜かれ・・・。」

この台詞の後、照明はパッと素明りに戻り。

演じていたわれわれは「恥ずかしそうに去ってね」という指令。この去り方までが演出。



ちなみに、"ムラカタギリ"と"カミホソカワ"の「春告げ鳥」の時、暗転中に出て行って、パッと明かりがついた時に、

一番前の席に座っていたのが"俺様"と"誰か漠の人間"だったという。彼らの「春告げ鳥」の台詞よりも前に

最前列の客の笑い声が劇場にこだました。



確か2回くらい"後藤氏"や"熊野氏"から「そんな感じでやって」というような簡単な稽古で、本番となって。

今まで、稽古に稽古を重ねて本番、ということしか体験していなかった我々は

稽古の少なさに大いに不安であったのを覚えている。



本編の「パパ三葉虫」は、ショートコントの連続で大きな流れを作っているという、結構珍しいタイプの芝居で。

わかる人なら、なんとなく「劇団健康」の「プチ天変地異」に近いような、そんな構成。

で、この本編にももちろんコロスで出演したのだけれど。実は本番になるまで、全体の話を知らなかった。

確か「じゃ、練習に来てくれ」と言われたのも、本番前日だったし。

そこで「いつ」「どのように出て」「何をする」ということを打ち合わせただけで。台本はなかった。



今覚えている出演シーン。断片だが。

ホント、最初「これでやってくれ」という状態だったのだ。私も訳は分からないまま芝居をした。

舞台にワラワラと出て行って、「それは!!!」といって、大きく右腕を左肩のほうへ振りかぶる。

でそのままストップ。1シーン目終了。

人の行列。私は新聞を読みながら行列に並ぶ。で、舞台右から舞台に出て行って、いったん舞台左にはける(出る)

そして前の人とともに舞台裏を猛ダッシュ。再び右から何食わぬ顔をして行列に加わる。

これを照明が落ちるまで続けろ、との指令。2シーン目終了。

1シーン目の腕を振りかぶったポーズで再び舞台に登場、で全員で"北地"を指差し

大声で「あなたです!!北地さん!!!」。3シーン目終了。



「おならダイナマイト」の踊りをみんなで踊る。このときの振り付けは"熊野"さん。ちなみにこの時、初対面。

台詞(踊りの歌の歌詞)は今でも覚えている。

表情は笑顔、両足はその場でモモ上げ状態で。そしてこれを歌いながら踊る。

「お〜なら〜(右手を上げる)、お〜なら〜(左手を上げる)、

ダイナマイ〜ト(両手は口の前でぶりっ子っぽく)、ドンドン(お尻を横に2回振る)。

お〜なら〜(右手を上げる)、お〜なら〜(左手を上げる)、

ダイナマイ〜ト(両手は口の前でぶりっ子っぽく)、バンバン(お尻を横に2回振る)。

お〜なら〜(右手を上げる)、お〜なら〜(左手を上げる)、

(ここで「ダイナマイ〜ト」にいくかと思わせておいて、両手を胸の前で合わせ、足も止め)

大納言でおじゃ〜る〜(表情は公家。声のトーンも1つ上げ気味)」。

この踊り、"ごうちゃん"はダントツだった。 4シーン目終了。



ラスト。「おならなら」の歌を歌いながら客席へ退場。この時、客席のどこに行くというのは決まっていなくて。

ただ空いている席を見つけて、そこへ行け、そして座れ、との指令だった。

本番まで客席が空いているのか不安だったりした。

で、この「おならなら」の歌。これも今でも覚えているのだが。

歌のメロディーは「ケセラセラ」。そのメロディーに合わせて、こう歌う。

「お〜なら〜なら〜(ケーセラーセラー)、鳴るように〜する〜(なるようにーなるさー)

明日のこと〜など〜(同じ)、おなら〜なら〜(ケセラーセラー)」

これを、役者全員が大声で浪々と歌いながら、客席に向かって歩いていき

この時、内心は空いている客席を一生懸命探しながら、顔は笑顔で。

そしてそれぞれが声をフェードアウト(徐々に小さく)していく。そして席に座ったら歌うのをやめる。



ここまで読んで、いったいどんな芝居だ??と思われることでしょう。

私も良く分かりません。台本がないので、思い出せないところもあり。

ただ、今こうして書いていると、断片的ながら、なんか天才的な「馬鹿馬鹿しさ」満載のお芝居だった、と。

期待させておいたところで、期待はずれどころじゃない、とんでもないことを、しでかす。

この間の抜き方。はずし方。天才的だ。

特に覚えているのは「"後藤"さん、ずるうま過ぎ」という感想です。一緒にやっててもあの人から目が話せなかった。



芝居をするのに、こんなに簡単でいいのかぁ、と、かなりなカルチャーショックを受けた私。

軽い段取りだけ打ち合わせておいて、後は「アドリブ勝負」という感じの芝居だったので。

ただただ感心するのみであった。本番前の待機の仕方もぜんぜん違うし。

「こんなの漠でやったら・・・怖えぇぇ」というものばかり。みんな気楽で。

でもそんな雰囲気もかなり楽しく。私は何となくウキウキしていた。



「演鑑」の芝居に出たのも、実はこれが最初で最後。

それでも、1度だけでも参加することができて。良かった。

この後、学園祭の度に「OKダンス」というものを踊るのだが。

私はそこで3年間、一緒に躍らせてもらった。それも良かった。

なんか、このことを思い出すと私は何時までも後輩な気分を思い出せるので。いろんな人がいたよなぁ、と。

もう、あの人たちも集まることもないんだよなぁ、と。少しでも関わる事のできた私は、かなり幸せ。

もし願いがかなうなら。今、出てみたいなぁ。

ちなみに、この演鑑の流れを汲む劇団がフジコちゃんと大ちゃん。なのです。


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