ブラッディ・メアリー



これもイギリスの歴史と関係が深い(?)カクテルなのであります。

イギリスで有名な王様、ヘンリー8世。

彼は6人の妃を迎え、そのうちの5人を殺してしまったという、イワク付きの人だ。

その妃たちを閉じ込めたといわれる「ロンドン塔」は今でも有名な観光スポットの一つ。



彼はイギリスにプロテスタント(国教会)を作った人だけれども、

離婚問題と再婚問題でもめて、カトリックと対立、それでカトリック嫌いになってしまって

カトリックを弾圧、そしてどんどん処刑、というとんでもないことをした人でもあった。

その一番最初の奥さん(妃)、そのままヘンリー8世との結婚は無効という形であっさり見捨てられてしまう。



で、その結婚を無効にされた妃には一人の娘がいました。これが、なんとメアリー1世。

彼女は熱心なカトリック。父ヘンリー8世が亡くなった後、女王に即位。母親の結婚を有効とし、

そんな冷たい父の仕打ちに仕返しするかのように、逆にプロテスタントを弾圧、火あぶりにしたのでありました。

処刑したプロテスタント信者の数、およそ300人とも。

関係ないけど、彼女って片頭痛だったらしい。しかも結構重症の。

自分の戴冠式でも偏頭痛を起して、かなりイライラしていたとか。

ひょっとしてその片頭痛が、ヒステリックでむちゃくちゃな行動を引き起こしたんではないか・・・と分析する学者もいる。



親子の血は争えない。両者とも、かなり、そういう意味ではすごい人たちであった、と。

で、そんな娘のメアリー1世についたあだ名が「ブラッディ・メアリー」

この「ブラッディ」という英語の響きには、なんともいえない、おどろおどろしい物が付きまとう。

「血塗られた」「血なまぐさい」「血まみれ」「残酷」「忌まわしい」



お酒を飲む人、又はカクテルを知っている人はおそらくご存知の超有名な食前酒「ブラッディ・メアリー」

トマトジュースで真っ赤なこのカクテル、真っ赤なところをダブらせたブラック・ジョーク漂う飲み物なんですな。

この「ブラッディ・メアリー」はヴォッカとトマトジュースだけれども、

昔、アメリカの禁酒法時代に「酔っ払えるトマトジュース」として流行った

ジンとトマトジュースのカクテルを「ブラッディ・サム」と言ったらしく

そこでヴォッカベースは女性名にしよう、ということでついた、という説もあるらしい。



とにかく、結構おどろおどろしい名前のカクテルだったのね。というか、名前どおりの背景を持つ、というか。



で、このアルコール抜きのバージョンがある(ただのトマトジュースでは・・・と思うんだけど、ちょっと違うみたい)

その名前は「バージン・メアリー」。「ブラッディ」と「バージン」。ここにもちゃんと理由がある。

この名前の由来は、メアリー1世の腹違いの妹で「バージン・クイーン」といわれた、あのエリザベス1世。

まさしく血みどろなメアリー1世の恐怖政治に終止符を打ち、安心とイギリスの黄金時代をもたらした彼女。

同じ血なんだけど、中身(性格、味、危険度(?!))は、全然違うのよ。

なんか、とても面白いカクテルだなぁ、と、しみじみ。



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