デュッセルドルフ・地ビール


ドイツのデュッセルドルフには、私の友人"ササカ社長"が住んでいて。ずうずうしくも遊びに行ったことがある。

きれいなところで。ライン川も近くて。その川沿いを皆で散歩している風景を思い出す。

もちろん我々も散歩したけれども。何時間歩いたかな?でもこういう本格的な散歩は、初めてだった。

ドイツ人は散歩が好き。で、森の民。自然だなぁ。とても自然。



その"ササカ社長"に連れて行ってもらったのが、「アルトビール」のお店、つまり地ビールのお店だった。

このデュッセルドルフの地ビールは「アルトビール」と呼ばれている。

ドイツ語で「古い」を意味するんだそうで、確か作り方が昔からの方法で「古い」んだったと思う。

このアルトビールは濃い赤銅色をしていて、ちょっと花のような香り、味がする。

「ビールは煙突の影が届くくらいの、工場のそばで飲む」という諺がドイツにあるそうだが、

やはり瓶や缶に詰められた製品ではなく、できたその場で飲むと言うのが一番美味しく飲むコツであると言える。



デュッセルドルフにはたくさんのアルトビールがあるらしいが、地ビール屋として飲ませているのは、

4件が5件だったような気がする。手帳を見ると、
Ueriges」、「frankenheim」と書いてあるから、あと2つ、

名前は思い出せないが、確かに4件はハシゴをした記憶がある。

店の雰囲気はイギリスのパブに良く似ている。でももっと中は広く、大きなテーブルもあり、食事もできる。

それでも店が一杯になり、店の外にまで人が溢れ、立って飲むことになる。



どうしてハシゴになったかと言うと、ここの地ビール屋では、そこで作られているアルトビール以外の飲み物は、ない。

つまり、店にあるのは自社で作っているアルトビール、ただ1品のみ。

だから違う味を飲みたくなったら店を出て、次の店に行く。そこに飽きたら、次に行く。

そんな感じで、全部の味を試していたら、気が付けば4件ハシゴしていた事になったわけで。

地元の人は、お気に入りの店を持っているし、その日の気分で「今日は、ここ」という風に

飲む場所を決めているんだそうだ。いいなぁ、そういう感覚。



このアルトビールのグラスは、けっこう小さい。300ミリリットル入るぐらいの縦長の丸い円筒形の薄いグラス。

このグラスもアルトビール特有の物なんだとか。で、値段も確か安い。いくらだったかな?

でも、確か1杯100円ぐらい。確か。違ったかな?「大ジョッキで200円しないのかぁ・・・」って思ったから。



店に入ると、まず「○杯」と言えばいいだけ。商品は1つしかないからすぐ分かる。

店員がお盆一杯にアルトビールのグラスを運んできて、注文した分、または必要な分だけグラスを受け取る。

すると店員が丸いコースターの端に鉛筆で線を書いていく。

結構小さいグラスだから、どんどん空いていく。そのたびにまた新しいグラスが来て、コースターの線が増えていく。

で、最後の会計は、コースターの線を数えて何倍飲んだか計算する。



我々はそんなには飲まなかったので(大丈夫よ、お母さん)、コースター1枚でも足りたが、

ドイツ人の飲みっぷりたるや。コースターを一巡してもまだ足りなくて、2枚目のコースターにいってたりして。

鉛筆の線で一杯になったコースターは、まるで花のよう。線が花びらで。

とにかく、この計算方法がなかなか楽しくて、しかも地ビール屋のハシゴなんて贅沢で。

かなり楽しんで酔っ払った一夜でありました。



そして翌日、デュッセルドルフの南約30km、ケルンへと車で入った。この町のシンボル、ケルン大聖堂をまず見学。

このケルンで細長いグラスに注がれたビールは、淡い黄金色をした苦みの強いケルシュビール。

「アルトを飲んだんだから、ケルシュも飲んでおかないとね」との"ササカ社長"の計らい。

ケルシュビールは、アルトよりも炭酸がきつかった覚えがある。しかもちょっと苦く。

日本のビールはどちらかと言うと、こっちの方に近いのかもなぁ、と思った。



ちょっと余談だが、ドイツ=ソーセージというのは、ちょっと日本の偏見かも。

"社長"も「そんなにたいしたことはないよ」と言っていたが、確かにその通りで。

色んな店に行ったが、どこにも「シャウエッセン」や「バイエルン」のような、パキッ、ポキッ系のソーセージはなかった。

でも種類は豊富で、色んなソーセージがある。ここで初めて「血のソーセージ」を食べた。

見た目はなんか黒いし、やわらかいし、すごくグロクて、「げぇ」と思ったが、

食べてみると、こりゃまた。これが一番美味しかったりして。見た目じゃわからないものだねぇ、なんて。

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