日本・日本酒 「菊姫」


もっとも大切なやつを忘れていたよ、それは、愛すべき、日本酒。

といっても、私はまだまだ、甘ちゃんな飲み人なので、その奥深いところまでは、全然。恐れ多くて。

でも、呑みやすくて、好きです。いくら飲んでも、日本酒は、二日酔いにはならない。

というか、私は洋酒に弱いんだな。ウイスキー、ブランデー、カクテルは少量で十分。

それ以上飲んじゃうと、私、出しちゃうぞ、もったいないぞ。へへ、失礼。



日本酒には「甘口」と「辛口」とありますが、昔はそんな違いもよくわからずに、

「この酒は、甘いねぇ」だの「お、これ、ちょっと辛いねぇ」だのと、ホザイテおりましたけれども

今となっても、はっきりとした根拠はわからずに、ホザキますけれども

私の中での「甘口」「辛口」の違いは、単純に口に入れたとたん「甘い」かそうじゃないか。

後は、飲んだ後、甘さ(と言うか、ネットリ感、しつこさ)が口と咽喉の辺に残るか残らないか。

要は、呑み込みやすいやつが「辛口」で、呑み込みにくいのが「甘口」ということ。

だって、私は「辛口」って言われているお酒のほうが、好きなんだもん。

あとは、個人的な主観から言って、辛口は冷。甘口は、燗。古くなった酒も、燗。

(もういいんです、なんと言われようとも。間違っていようとも。)



私の中で、思い出深い日本酒というのも結構ありまして、

その中に石川県の「菊姫」というのがあるんだけれども。(「菊水」じゃないよ、「姫」のほう。)

私を「日本酒」好きにした、「辛口」好きにした、きっかけともなりうるお酒であって。



大学生の頃、チャボのおばさんに連れて行っていただいた寿司屋があって。

武蔵小金井北口の、名前は確か、「わかな寿司」。踏み切りの道ずっと上がった右手にあったとさ。

そこは結構いいお寿司屋さんで、主人も、味も、そして、値段も。3人で軽く2万円はぶっ飛ぶような、そんな店で。

でも、おばさんはよくそこへ我々を連れて行ってくれまして。普段ロクなもん食べてない二人だったので。嬉しくて。



で、よく行ったもんだから、お店の主人も覚えてくれるようになりまして。色んな話するようになりまして。

で、大体何も言わなくても、私には「光り物」をまず出してくれるようになりまして。

日本酒なんかも勧めてくれるようになって。それまで、私はあまり日本酒は得意な方ではなかったんだけれども。

まず日本酒の説明を聞き。出してくれる物を素直に呑み。おかげで、ますますお金はぶっ飛んだと思いますが。



ある時に、日本酒の話題になり、色々「きき酒」をさせてくれたときがあった。「辛い方が好き?」と聞くので

「甘い」「辛い」よく分からないけど「ええ」とこたえたら、主人「今年はね、菊姫、当たり年でね。うまいですよ」

「日本酒の当たり年」。そんな言葉を聞いたあとに呑んだ「菊姫」。

まずい訳がないじゃないか。いや、ホントに「おいしい」と思った。 「うまいでしょ?」 「ええ、おいしいですね」

そういう「粋な(そう感じていた)大人」の対応がまた嬉しくて嬉しくて。イッチョ前に。

それ以来、私は(馬鹿?)正直に「日本酒」の「辛口」が好きになった。



残念なことに(本当に残念だけれども)、「店を終わることにした」と店の主人の話。

自分は違う寿司屋に板前として働きに行くというとのこと。

自分の店をたたんで他で働くっていうことは、お金の面ではいいんだろうけど、結構つらいんだろうなぁ、と

で、せっかく常連っぽくなった店だったのに(自分のお金じゃないけど)、なくなってしまうことが妙に悲しく。

その店の最後の日に呑んだのも、やはり「菊姫」なのでありました。



帰りに3人で「残った日本酒って、どうするんだろうね・・・???」なんて話したことがあり。

我々の頭の隅を「安く買い取り・・・??」という言葉がよぎったようなよぎらなかったような。

でも、それ以来、めったに見かけることがないのよねぇ、「菊姫」って。「菊水」のほうは一杯見るんだけども。

それとは味が全然違うんだよなぁ。「姫」の方が、やはりちょっと上品なイメージなんだなぁ、味も。



あと、その「わかな寿司」跡地には、沖縄料理屋ができていまして。

ちょうどムサコの本庁稽古場へ行くときに通過するので、ご存知の方も多いでしょうけども。



ちなみに、10月1日が「日本酒の日」っていうことを知っている人はどのくらいいるので?

これには、凄く古い縁があるようで。中国古代の天文学、暦学から生まれた十二支は、本来、月のしるしだそうな。

日本では十二の動物で表わされてるけれども、その十二支の10番目は酉(トリ)。

もともと、酉の字は壺の形を表わす象形文字で、酒を意味しているんだそうな。



昔は一年の始まりは冬至に置いて、10番目の酉の月はいまの9月末から10月の頃にあたるのね。

そして、新米が収獲されて新酒ができる月であったことを表わしているのね。

すなわち、10月は古くから酒の月ということになるんだそうな。

いまでも10月は新米のとれる月で、酒造りの始まる月で、

酒造家の中では10月1日を「酒造元旦」として祝う風習が残っているところもあるんだと。

それに、10月は海の幸、山の幸がおいしくなるころよね。日本酒が本当に旨くなる月といえるのよね。

だから10月1日は「日本酒の日」。なーるほどー、納得??


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