第2回目 「天使のいたずら」


…………ご無沙汰しております。

かれこれ、初回から二ヶ月半が過ぎ、私の髪も伸び、雪が降った。

ありがたい事に、方々から「次はまだなの?ねぇ、まだなの?」とお声をかけて頂き、

その度に「今週中には!」と呪文のように繰り返していた自分。

そんな自分にさよならするために、

今、携帯をピコピコしている自分にさよならするために、

パソコンを買わなくっちゃ。

志乃伊豆はじめ、ありがたい方々、本当に申し訳ありませんでした……。



東京の今年の初雪は、どっさりと、存在感があったなぁ。

いつもの冬なら「あれ?雪?」レベルのスタートなのに。

一週間前に行った飯田市(長野県南部)の方が数段暖かかった。


私は長野市出身だけど、引っ越して今は阿智村(飯田の隣)在住の高校時代の友人が、

温泉付コテージを予約してくれて、何人かで行く事になった。

コテージは阿南町にあり、飯田方面からは途中、下条村を通過して行く。

下条村の国道の入口と出口では、地元出身のスター、峰竜太のはにかみ笑顔の大看板が、ドドーンと待ち受けていた。

コテージに着き、温泉鍋温泉温泉鍋鍋鍋と、ご褒美タイムが過ぎていく。


翌朝、温泉のロビーにあるお土産コーナーで、一人の少女に話しかけられた。


7
才位だと思う。一人だった。

棚に並んでいた石の形をしたチョコ(東京でも売っていますね)を見て彼女は、

「これチョコなんだよ。食べられるんだよ。」と得意気に言った。

その瞬間、私の中の悪魔が目を醒ました。


「え!?何言ってるの?食べられるわけないじゃん。

……ちょっと、誰にそんな事聞いたの?これは、石、だよ。庭に敷くものだよ。

食べたら喉が裂けちゃう。……死んじゃうんだよ。」

私は持てる限りの真剣さで、少女をじっと見つめたまま、

驚きを隠しきれないといった表情で静かに話した。

少女はすごい目で私を睨んでいる。ショック治まらず顔の私。

内心、ちょっとやり過ぎたかと早くも反省していた。

しかしもう引き返す事はできない。女のプライドにかけて。

私はそのまま軽く後退りし、

「あなたを気の毒に思う。どうか強くたくましく生きて欲しい」といった表情で、

何度か振り返りながらその場を去った。

遠くに来ても、少女が私の背中を睨んでいるのが分かった。


帰りの車中、これは教育だ、と思った。

世の中にはいろんな大人がいる。その中の、悪いサンプルを演じたまでだ。

オーケー。大丈夫。あの娘も一晩寝れば忘れているさ。

胸のつかえも取れ、爽快感すら湧いてきたその時、同行していた友人の婚約者が言った。

「悪い人だねぇ……。」

見られていた。知り合ったばかりの彼に。これから長い付き合いになるであろう彼に。

神はいる。

神は
20代後半独身女の無邪気な悪戯を、許してはくれなかった。

幸せそうな友人と婚約者の彼。

頑張れ、あたし。


(追記)今回も、「いなせ計画」から遠ざかってしまった……。
この後も、ちっともいなせじゃない話題が二回程、続きます。




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